日本の総人口は約1億2700万人。100万部のベストセラーも大したことない。
総務省が発表したデータによると、2017年(平成29年)10月1日時点の日本人口数は、は1億2670万6千人です。
私は、日本の総人口数を聞くたびに、「本を読む人間って少数派なんだな・・・」と改めて実感します。
巷では、「100万部」売れた本は、ベストセラーと言われます。
しかし、日本の総人口の割合で考えれば、1%にも満たない数字です。
そう考えると、「ベストセラー」といえど、ほとんどの人は、その本を読んでいないことになります。
また、ビジネス書でいえば、10万部も売れれば、「ベストセラー」と持て囃されます。
これは、日本人の約0.1%です。
ビジネス本をよく読む人間にとっては、驚くことかもしれませんが、世間的に見れば、ビジネス書を読む人間など「少数派」に過ぎないのです。
人は、自分の好きなもの、興味あることは、世の中の他の人間も同様に興味があると錯覚しがちです。
しかし、それはただの認知バイアスでしかありません。実際は、そんなことはあり得ません。
むしろ、
「自分の興味あることを世間の人間はどれほど興味を持っているのだろう?」
と客観的な数値を目の当たりにして、頭を冷静にした方がいいでしょう。
例えば、この「歴代ベストセラー本ランキング」を見てください。
歴代ベストセラー本ランキング
発売年 | 書籍名 | 筆者 | 売上部数 |
---|---|---|---|
1981 | 窓ぎわのトットちゃん | 黒柳徹子 | 580万部 |
1968 | 道をひらく | 松下幸之助 | 520万部 |
1999 | ハリー・ポッターと賢者の石 | J.K.ローリング | 510万部 |
1998 | 五体不満足 | 乙武洋匡 | 479万部 |
2003 | バカの壁 | 養老孟司 | 439万部 |
2000 | ハリー・ポッターと秘密の部屋 | J.K.ローリング | 433万部 |
1995 | 脳内革命 | 春山茂雄 | 410万部 |
2001 | ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | J.K.ローリング | 383万部 |
2000 | チーズはどこへ消えた? | スペンサージョンソン | 360万部 |
1995 | 日米会話手帳 | 小川菊松 他 | 360万部 |
2002 | ハリー・ポッターと炎のゴブレット | J.K.ローリング | 350万部 |
1982 | 気くばりのすすめ | 鈴木健二 | 331万部 |
2001 | 世界の中心で愛をさけぶ | 片山恭一 | 321万部 |
2006 | 女性の品格 | 坂東眞理子 | 315万部 |
1970 | 冠婚葬祭入門 | 塩月弥栄子 | 308万部 |
2004 | ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 | J.K.ローリング | 290万部 |
1982 | 積木くずし | 穂積隆信 | 280万部 |
1970 | 誰のために愛するか | 曽野綾子 | 278万部 |
2009 | もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら | 岩崎夏海 | 275万部 |
2005 | 国家の品格 | 藤原正彦 | 271万部 |
1999 | 頭の体操 第1集 | 多湖輝 | 265万部 |
2004 | 頭がいい人、悪い人の話し方 | 樋口裕一 | 260万部 |
1993 | マディソン郡の橋 | ロバート・ジェームズウォラー | 256万部 |
1987 | サラダ記念日 | 俵万智 | 250万部 |
1987 | ノルウェイの森(上・下) | 村上春樹 | 242万部 |
1994 | 大往生 | 永六輔 | 241万部 |
1994 | 遺書 | 松本人志 | 231万部 |
2007 | ホームレス中学生 | 田村裕 | 225万部 |
2005 | 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ | リリー・フランキー | 221万部 |
2006 | ハリー・ポッターと謎のプリンス | J.K.ローリング | 220万部 |
1988 | こんなにヤセていいかしら | 川津祐介 | 215万部 |
2000 | だから、あなたも生きぬいて | 大平光代 | 212万部 |
1984 | ノストラダムスの大予言 | 五島勉 | 210万部 |
2005 | 1リットルの涙 | 木藤亜也 | 210万部 |
1991 | もものかんづめ | さくらももこ | 209万部 |
1973 | 日本沈没(上・下) | 小松左京 | 204万部 |
1979 | 天中殺入門 | 和泉宗章 | 204万部 |
2000 | 金持ち父さん 貧乏父さん | ロバートキヨサキ | 201万部 |
1992 | 磯野家の謎 | 東京サザエさん学会 | 200万部 |
2004 | グッドラック | アレックス・ロビラ | 200万部 |
1999 | 日本語練習帳 | 大野晋 | 199万部 |
1985 | 眼がどんどんよくなる | ハロルド・ペパード | 198万部 |
1980 | 蒼い時 | 山口百恵 | 198万部 |
2008 | ハリー・ポッターと死の秘宝 | J.K.ローリング | 197万部 |
1983 | 悪魔の飽食 | 森村誠一 | 188万部 |
2010 | 謎解きはディナーのあとで | 東川篤哉 | 183万部 |
1982 | プロ野球を10倍楽しく見る方法 | 江本孟紀 | 180万部 |
1996 | 禁煙セラピー | アレン・カー | 180万部 |
2007 | 伝える力 | 池上彰 | 180万部 |
1995 | ソフィーの世界 | ヨースタインゴルデル | 179万部 |
2002 | 話を聞かない男、地図が読めない女 | アランピーズ | 178万部 |
2007 | 夢をかなえるゾウ | 水野敬也 | 176万部 |
※部数の値は必ずしも正確ではない。出版社の大本営発表の可能性があるものや、推計に基づくものがある。
※累計部数が不明・未公表の作品もあるため表は歴代のベストセラーを1位から順に並べたものではない。
引用先:http://nendai-ryuukou.com/article/025.html
このランキングを見れば、日本人がどんな書籍を買っているのか、よくわかります。
「ハリーポッター」シリーズや「芸能人のエッセイ集」、「ビジネス書」が売れているのが良くわかります。
また、私としては、歴代で一番売れた本ですら、「580万部」という数値にも驚きました。
この本ですら、日本の総人口数の約5%の人間しか手に取っていないことが分かります。
要するに、本を買う人間自体が少数派なのです。
積読する人もいるので、実際に読む人はもっと少数です。
そう考えると、「100万部のベストセラー」など本当に大したことがないことが分かります。
読書家の私からすると、「100万部のベストセラー」などと言われると、日本人のほとんどが読んだ本だと「認知バイアス」がかかりますが、しかし実際はそんなことはないのが分かります。
私は、「人の興味は千差万別なんだな・・・」と実感しました。
自分が興味を持っていることに他人は興味を持っていない。むしろそんなことに興味を持っている人間は少数派。
このことに気が付かせてくれるのは、客観的な「数値」です。
需要のない「ブログ」を作ってしまう人は、認知バイアスにかかっていて、客観視ができていない人なのでしょうね。
追伸
これを見ると、日本人に求められている情報の傾向が良くわかりますよね。
・自己啓発本
・芸能人のエッセイ
・ライトなビジネス書
・エンタメ小説
などが受けがいいみたいです。
私は、ちょっと日本の将来が心配になりましたよ・・・(笑)