小川仁志 自分のアタマで「深く考える」技術。
「知識バカ」
って知っていますか?
知識を集めること、知識の量を増やすことだけに情熱を掲げて、自分の頭で考えない人のことです。一昔前ならば、たくさん知識がある博識な人がもてはやされた時代がありました。
しかし、今はそうはいきません。インターネットがあるおかげで、知らないことはたいてい検索すれば、「知る」ことができます。読めない漢字があっても、英語が分からなくても、数学の公式がわからなくても、料理のレシピがわからなくても、検索すれば出てきます。
このおかげで、ただ「知識」がある人がもてはやされる時代は終了しました。いえ、それどころか、ときに「知識」がある人は、「知識だけあって、自分で考えることをしない」などと自分で考えることもせず、知識すらもないアホな人間に批判されるケースも出てきています。
確かに、自分で考えることも大切ですが、ネットでなんでも検索できるからといって「知識」を増やすことを怠るのもまた危険です。「知識」がない思考は、毒にしかならないからです。
最初に正しい方向性が明確にならないと、ゴールにたどり着けないのと同じように、ただ考えるだけ、考えても何もでてきませんから。
大切なのは、知識もありつつ、自分の頭で考えることができることです。
しかし、最近は、思考停止どころか「知識」すらない人が増えています。
昨今の若者は、大学へ入学した後に、勉強を怠けてしまう人が多く、異様に知能が低い大人が多くて驚かされるばかりです。
で、こういう人間が将来おっさんになってから
「俺の人生がこうなったのは、社会のせいだ・・・」
「なんで俺こんなことしてんだろ?」
「はあ~人生がつまらないな・・・」
とか情けないことを言い出すわけです。
「自分の頭で考えるとか以前に、お前は知識がなさすぎるんだよ」って突っ込みを入れたくなります。ただでさえ、少ない知識、あてにならない知識しか持っていない人間が自分の頭で考えたら、悲劇にしかならないことは、容易に想像できると思います。
だから、人生が上手くいっていない人がやるべきことは、たいていの場合は、「知識」を仕入れることです。正しい知識、自分の血肉となる知識。そういったものをインプットするのが先です。考えるのは、アウトプットなので、その後です。そういう人は、「思考停止」状態で知識を仕入れることをおすすめします。
本を読んで、「俺はこうは思わないぜ」とか斜に構える必要はありません。どうせその本の著者は、あなたよりも頭が良くて成功しているでしょうから(笑)だから、素直に知識を増やしていきましょう。話しは、それからです。
「知識」はあるけど、「考えられない」というあなた。
知識は割とあると思うけど、自分の頭で考えることがどうもできない、苦手みたい・・・という人。こういう人は、「知識を使うために考える」必要があります。仕入れた知識は、使わなければ無意味です。実際、知識というのは、誰でも知っています。頭の悪い人はしらないと思いますが、そこそこ教養がある人は皆知っています。だから「知識」だけでは差がつかない。
差がつくのは、「知識」を使って「思考」した結果のアウトプットです。知識を使って思考したそれを「形」にすることで、他人とは違うオリジナリティが生まれ、それがビジネスにおける「差別化」にもなります。この作業を残念ながら避けることはできません・・・。
我々は、他人に一歩抜きんでるためにも、「考える」必要があるのです。かなり辛くて面倒な作業なのですが、リターンは大きいです。逆に、これを避けると、その他大勢のコモディティ人間から抜け出すことができません。
あなたの周りにいる何も考えていなさそうな思考停止人間と同じ人生を送ることになるでしょう。いくらあなたが努力をしても。勉強をしても。自己投資をしても。
ただ、「考える」っていわれても「どうすればいいんだ?」って話ですよね。そんな方には、この本の一読をおすすめします。うん、この本とっても凄いです。著者が哲学者だけあってよくできています。(笑)なんていったって、哲学者は考えることが仕事ですからね・・・「哲学者」の思考法についてうまく解説されている良本です。それがたった600円で手に入るのだから、本の費用対効果は恐ろしいものです。