あなたは、自分を高く売れていますか?資本主義の基本「安く買い、高く売る」
「生活の糧を得るというのは、自分を売ることだ。頭ではわかっていたが、骨身に沁みてそれがわかったのは、安定した収入を断たれ、職を求めては不採用通知をもらう苦しみを味わってからだった。自分を未完成の商品のように考え、自分の一番の強みが何であるかを考え、それを市場で売ることは、人間としてまっとうなことだ。つまるところ、問題は、自分が望むものを手にするために、やらなければならないことをやる意思があるかどうかだけである。」
トム・ピーターズ「ブランド人になれ」より
誰もが何かを売って生きています。自分の商品を持っている人もいれば、自分の労働力を売って生きている人がいます。サラリーマンの人はこれですね。
まず、就職というのは、企業に対して自分を売り込む作業が必要になってきます。その際、労働力の買い手である企業にとっては、数多くいる応募者の中から選択する権利があるわけです。
つまり、求職者側としては、他人と同じようなことをアピールしても意味がなく、自分自身の「強み」をアピールして、相手からいかにお買い得だと認識してもらう必要があるわけです。
「強み」をアピールしなければ、相手からしてもあなたを選ぶ必要がないわけですから。経営者というのは、凄いシビアな世界で生きているわけですから、「損する取引」は絶対にしません。
安く買い、高く売るということを徹底するわけです。賃金以上の働きをする人間を厳選して選び抜きます。これは、労働者側から見れば、就職というのは「損をする取引」であるということを意味します。
マルクスのいう「労働力の搾取」です。
仮に労働者側から見て、就職というフィールドにおいて、割のいい取引をするならば、まったり高収入の会社に入って、あまり仕事をせずにいるというのが、「得をする取引」になってくるでしょう。
労働者にとっては、出来る限り労働時間が短く、お金がもらえる仕事が「得する取引」なわけです。
逆に言えば、損をする取引というのは、激務の仕事です。
時間>お金なので、労働していた時間が長ければ長いほど、自分が損をすることになります。
つまり、労働者にとっては、
1.マッタリ高収入
2.マッタリ低収入
3.激務高収入
4.激務低収入
という順番で得をすることになります。
一番損をするのが、ブラック企業といわれる労働時間が長くて、収入も低い仕事。次に損をするのが、給料は高いが、激務な仕事。
労働時間に費やしていた時間を、副業やビジネスなどの別途の生産活動に費やして得た利益が出ていたかもしれないという機会費用を考えると、やはり長時間働くというのは、経済学的に見ても損をするということになります。
「3」と「4」のジャンルに分類される仕事をしている場合は、速攻辞めることをお勧めします。正直、メリットないです。金もない、自分の心身もボロボロになっていきます。
逆に、給料が安くても楽な仕事ならば、あまった時間で就職(労働力を販売する)よりも利益が多く出る生産活動もできるので、まだ希望があるといえます。
時間という資源があるので、激務高収入の金融業、外資系、商社、広告などに勤めている人より、低収入のフリーターや派遣社員、ニートの方が「人的資本」が高いといえます。
上記のような激務高収入のサラリーマンは、自分の労働力を安く販売している損な取引をしています。とは言えどもどっちみち資本主義の性質上、サラリーマンは、資本家が勝利する世界です。
どうあがいても労働者は、損をするようにできています。
なので、できるだけ損を減らせるように、「得をする取引」しましょう。時間という資源があまる仕事をするべきなのです。勤め人の立場で、高収入を望むと必然的に労働力も増えていってしまい、長時間働くことになるので、「時間」を失い、もらうお金の割には、ソンをすることになります。
自分の時間、労働力を会社に販売してもリターンは、それほどないですが、それを自分のビジネスに費やせば、どこまでも収入が伸びていく可能性があります。
実は、会社に就職するということ自体が労働者にとって、損をする取引である以上、できるだけ会社にいる時間を減らして、あまった時間や労働力などの資源を自分の資本に投資するのが一番得をする選択だったりします。
「安く買い、高く販売する」
これを徹底的に頭に叩き込みましょう。資本家はみんな理解できています。理解できていないのは、何も考えずに呑気に過ごして「今日は残業して残業代を稼ぐぜ!」とか言ってるサラリーマンぐらいです。
努力して出世したとしてもたいして金銭的には報われず、おまけに責任が重く、忙しい。それがサラリーマンの世界です。そんなことのために一朝懸命会社で働く必要があるかどうかしっかり考えるようにしましょう。
おまけに激務だと結婚も恋愛もできないし(笑)少なくとも僕は、絶対に嫌ですね。
追伸:
ちなみに、長時間労働すればするほど、早死にするという相関関係があります。長時間労働なんてクソです。速攻やめましょう。できるなら、会社を辞めて自分のビジネスでくっていけるようにしましょう。
激務高収入で有名な電○は、平均寿命が60.3歳とのこと(笑)
まず、激務という時点で人間的で健康的な生活ができません。なので、これは労働者側にとってどんなに給料が良くてもあまりにも高い買い物です。絶対に選んではいけません。
自分にとってお買い得な取引をしましょう。それは、ショッピングモールでの買い物だけでなく、「就職」というフィールドにおいても貫くべきです。