LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略 個人の無形資産について (リンダ グラットン 、アンドリュー スコット )。
「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」最近、相当売れてますね。
こういった「人生の生き方」とかって誰もが悩むものなので、需要は相当あるのでしょう。1人のマーケッターとして勉強になりました。
ただ、かなり長い本なんですが、頭に残った部分はここだけです。(笑)
無形の資産は、私たちの人生のあらゆる側面できわめて大きな役割を果たしている。お金は確かに重要だが、ほとんどの人はそれ自体を目的にしていない。私たちがお金を稼ぐのは、それと交換に様々なものが得られるからだ。私たちはたいてい、
やさしい家族、素晴らしい友人、高度なスキルと知識、肉体的・精神的な健康に恵まれた人生を「よい人生」と考える。これらはすべて無形の資産だ。長く生産性的な人生を築くために、有形の金銭的資産と同じくらい、無形の資産も重要だということは、誰もが納得できるだろう。
もっとも、無形の資産と有形の資産を完全に切り離せるわけではない。むしろ、有形の資産は無形の資産の形成を強く後押ししし、無形の資産は有形の形成を強く後押しする。強力なスキルと知識という無形の資産がなければ、キャリアを成功させ、お金を稼ぐ力は、非常に限られたものになる、やさしくて知識豊富な友人のネットワークをもっていることも、人生の途中で生き方と働き方を変えたり、キャリアの選択肢を広げたりするうえでは不可欠だ。それに、病気だったり、家庭生活が不幸せだったりすれば、そのストレスによよ、仕事場の生産性、共感能力、創造性も大きく損なわれる。
無形の資産は、それ自体として価値があることに加えて、有形の金銭的資産の形成を助けるという点で、長く生産的な人生ををくるためにカギを握る要素なのだ。よい人生を生きたければ、有形と無形の両方の資産を充実させ、両者のバランスを取り、相乗効果を生み出す必要がある。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略 著者 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット。東洋経済~より 2016年/10/21
特に重要なのは、無形資産は有形資産の形成を助け、有形の資産は無形の資産の形成を後押しするということ。
有形の資産というのは、わかりやすいでしょう。現金や不動産、株式などの金融商品、車や時計など高値で売れそうなものです。無形資産とは、知識やスキル、人間関係、肉体的、精神的な健康のことです。
例えば、有形資産(お金)があれば、自己投資をするお金もあるので、新しい知識やスキルや経験を積むことができますし、健康に気を使った良質な食事をとることができます。また、新たな出会いの場所に赴くこともできます。
その結果、知識やスキル、健康、人間関係などの無形資産が充実しやすくなってきます。
また、その逆に知識やスキルがあり、健康な体であれば、仕事の生産性が上がって、お金をより多く稼げるようになります。人間関係にしても人を通じて新たなビジネスや投資の話が回ってきて、それのおかげで儲けることもできるかもしれません。
このように、無形資産と有形資産は、密接に関係しています。だから、両方を充実させることが大切なわけです。
では、何もない人間はどうすればいいのか?
では、今たいして無形資産も有形資産もない人間。
例えば、金も知識も資源も何もない若者はどうすればいいのか。
そういう人は、仕事の生産性を上げることから始めるべきです。つまり、より少ない時間でお金を稼げるようにすること。あなたがサラリーマンであるにしろ、自営業であるにしろアルバイトにしろいまの仕事に関連する知識やスキルを蓄えて、生産性を上げるべきです。
そうすることによって、少ない時間で仕事を終えることができるため、「時間」を作ることができます。自営業の場合であれば、生産性が上がれば、収入も上がりますが、会社員の場合は、生産性が上がったところで、給料に反映されることはあまりありません。むしろ、仕事ができない奴の分まで仕事を押し付けられる可能性があります。
ですので、そういう人が取るべき戦略としては、仕事の生産性を上げて、実績を上げて、より給料が高い同業他社に転職するか、それが難しければ、本業の生産性を上げて仕事が早く終わるようにして、定時で帰宅して、家で「副業」に取り組むのがいいでしょう。
また、アルバイトや派遣などの時間労働の場合、生産性を上げたところで労働時間は変わらないかもしれませんが、それをすることによって「活力」という無形資産を温存することができます。「活力」があれば、別のことをする気力がわいてくるので、(例えば転職活動とか情報収集)やはりアルバイトや派遣といった時間労働でも生産性を上げる必要は、あります。雇い主のためではなく、自分のために。
何かしら今の仕事に対する改善点は、見つかると思うので、そこを直して生産性を上げていきます。(エクセルのちょっとした操作を覚えるとか何らかのソフトを導入するとかでもいいので)それで生産性を上げて得られた「時間」を活用して「副業」を行う。そうやって有形の資産を増やしていく。そういう戦略がいいと個人的に思います。
一度読んでみてもいいと思います。
何もないっていうのは、つらいけど頭使っていけばたいていは楽できる。多様性だとか今までのよい大学⇒大企業⇒定年退職という既存のパラダイムが崩壊した以上、こういった「生き方」を舞台にした本がより売れる気がするね。
案の定、最近は「LIFE SHIFT」のパクリ本が沢山出版されてるし(笑)
表紙やテイストをそれっぽくして続編に見せかけてるのが面白いです。けれども残念ながら中身は、「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」に遠く及ばない質です。
追伸
あと、とりあえずもう1つ言えることは、お金をため込んでいてもしょうがないということ。この本でも有形資産(お金)は、無形資産の形成を強く後押しすると書いてあります。
お金をため込んだでしまったら循環しないし、何もできないので、実はデメリットが大きいです。お金というのは、ため込むのではなく、資産を手に入れるために使った方がいいです。
そうしないと、有形資産⇒無形資産⇒有形資産⇒無形資産⇒有形資産 という循環が起きないから。
個人的なお勧めは、給料は自己投資に費やして仕事の生産性を高めて、収入を増やすことからはじめた方がいいと思います。
追伸2
てか、この本では定義上お金が有形資産として扱われているけど、本当はお金は「資産」でもなんでもないですから。「資産」っていうのは、キャッシュを生み出すものです。お金をため込んでいても雀の涙ほどの利子しかつかないので、ただそこに眠ったままです。
お金をため込んでいる状態は、自分の労働力を費やしたお金をそのまま眠らせておくということであって、何も起こりません。若いうちは、自己投資に金を突っ込んだ方がはるかにいいですよ。